LightningChart .NET の最新バージョン 9.0 では、既存の機能への改善が適用された他、主な新機能として、金融およびトレーディング向けのライブラリとさらにインタラクティブで使いやすくなったサンプルが追加されました。
LightningChart .NET v.9.0 の主な新機能:
LightningChart Trader は、金融やトレーディング向けのアプリケーション開発を支援するチャート コンポーネント ライブラリです。主にテクニカル分析を念頭にデザインされており、TradingChart コントロールをアプリケーション UI に直接追加できるだけでなく、通常のアプリケーションのエンジニアリングに要求されるような複雑性のない、簡易的な API を提供します。ライブラリ自体は堅牢かつ高速な LightningChart API 上にビルドされ、アセンブリ ファイルは Arction.Wpf.TradingCharts.dll になります。
図: オンライン API から開かれたデータ。いくつかのセグメントとテクニカル指標が作成される様子。
トレーディングのデータは、以下の形式で読み込むことができます。
- REST API (AlphaVantage.co)
- ファイル
- コード
以下のテクニカル指標がビルトイン機能として提供されます。
- 単純移動平均 (SMA)
- 加重移動平均 (WMA)
- 指数移動平均 (EMA)
- ボリンジャーバンド
- 相対力指数 (RSI)
- 移動平均収束拡散法 (MACD)
- ボリューム、出来高
- 未決済の建玉 (OI)
また、ビルトイン機能として提供される以下の描画ツールも利用できます。
- フィボナッチリトレースメント
- フィボナッチファン
- フィボナッチアーク
- トレンドライン
- 線形回帰ライン
- 標準偏差に基づく線形回帰チャネルおよび Raff チャネル
上記の他にもカラー テーマがビルトイン機能として提供され、非取引期間の自動削除などの便利な機能も備えられています。データ カーソルは、最も近いデータ ポイントの値と、軸における水平および垂直の交点をラベル付きで表示します。
LightningChart .NET の有効なサブスクリプションをお持ちのお客様を対象に、LightningChart Trader ライブラリのソースコードを無償で提供しています。ソースコードの利用により、独自の DataProvider クラスを記述して他の REST API や社内サーバーとのインタラクションを実現し、UI レイアウトの高度な設定を行うことができます。ソースコードをお求めのお客様は、こちらのフォームから弊社までお問い合わせください。
※ 初期バージョンには WPF 向けのトレーディング チャートが含まれています。Windows Forms および UWP 向けのトレーディング チャートにつきましては、後程リリース予定です。
図: 線形回帰チャンネル
図: ボリンジャーバンドおよびフィボナッチファン
開発体験を向上するため、これまで提供されていたデモ アプリケーションに代わり、インタラクティブなサンプル一覧の提供を開始しました。このサンプル一覧には、以下のいくつかの改善や新機能の追加が適用されています。
- 閲覧しやすいサンプル: それぞれのサンプルに対する小さなチャート画像が表示され、詳細を確認したいチャートをすぐに見つけることができます。
- タグやキーワードなどの特定のカテゴリにより、さまざまな種類のサンプルを検索できます。
- タッチスクリーンにおけるスワイプやタップ操作でチャートを閲覧できます。
- スタンドアロンの Visual Studio プロジェクトとしてサンプルを抽出できます。
- 開発体験を向上するための多くのヒント
図: タイルビューでカテゴリ分けされたインタラクティブなサンプル一覧アプリケーション (デフォルト)。
図: リストビューですべてのサンプルを閲覧できます。
図: 開かれたチャートのサンプル画像
図: チャートを抽出して Visual Studio 内でスタンドアロンプロジェクトを開くためのボタン。
すべて種類に対応するカスタムのライン カラー
ViewXY では、これまでイベントを通して実線の場合のみラインのカラーをカスタムできましたが、新バージョンよりすべての種類のラインのカラーをカスタムできます。
図: パターン付きのラインにおけるイベントベースのカスタムカラー。
3D ポイントライン系列におけるクローズラインの追加
これまで ViewPolar でのみ利用可能だった ClosedLine プロパティが 3D ポイントライン系列でも利用可能になりました。このオプションを有効化することにより、最初のデータ ポイントと最後のデータ ポイント間を接続するラインが自動で描画されます。
図: ClosedLine プロパティを有効化した様子。画面下部にある最初のデータ ポイントと画面上部にある最後のデータ ポイントが接続されている。
Normal LineOptimization における WireframeLineStyle のサポートが改善されました。あらゆる種類のワイヤーフレームを描画する際に Pattern (パターン) や Width (幅) プロパティが考慮されます。
図: SurfaceGrid3D 向けのワイヤーフレーム。Pattern および Width プロパティが調整されます。
マウス操作による新しいズーム オプションが追加されました。RectangleZoomMode プロパティより新しいオプションを利用できます。
Horizontal
X 軸の範囲にズームします。Y 軸の範囲は変更されません。
Vertical
Y 軸の範囲にズームします。X 軸の範囲は変更されません。
HorizontalAndVertical
マウス座標の両方の軸にズームします。以前の Both オプションと同じ種類のズームになります。
AboutXAxisZoomOrigin
長方形の Y 値はマウス カーソルの開始位置と終了位置で定義され、固定の Xaxis.ZoomOrigin 値を中心にズームします。
AboutYAxisZoomOrigin
長方形の X 値はマウス カーソルの開始位置と終了位置で定義され、固定の Yaxis.ZoomOrigin 値を中心にズームします。
AboutXYZoomOrigin
ズームの原点で定義された X 値と Y 値に対称であり、マウスの開始位置は関係ありません。
- Semi-Bindable バージョンは Bindable バージョンとほぼ同等の機能を提供し、さらにはパフォーマンスを大幅に向上するため、インストーラー パッケージと Nuget パッケージから Bindable バージョンの WPF アセンブリが削除されました。これによって完全に削除された機能はデータ ポイント毎のバインディングであり、バージョン 9.0 では使用できません。最も高速なバージョンは Non-Bindable WPF API になります。
- Semi-Bindable アセンブリを使用した MVVM スタイルのデモ サンプルは、新しいインタラクティブなサンプル一覧に追加されます。バージョン 9.0 リリース時点で、既にいくつかのサンプルが含まれています。
- Bindable バージョンの WPF は、ソースコード内にのみ残ります。ソースコードをお持ちのユーザーは、そこからビルドできます。データ ポイント毎のバインディング機能を正式にサポートする最後のバージョンは、LightningChart .NET v.8.5 になります。
旧バージョンの新機能は以下のページをご確認ください。