LightningChart .NET の最新バージョン 8.5 では、主に SDK のユーザービリティに関する問題の改善と機能性の向上を目的とした変更が適用されました。また、より高速かつ簡単なデモ アプリケーションの起動や新しいアプリケーションの作成を支援する Dev Center が追加された他、ライセンス管理用アプリケーションも完全に再設計され、ツールの利便性が向上しました。
LightningChart .NET v.8.5 の主な新機能:
Dev Center は、LightningChart .NET の機能やリソースへの迅速なアクセスを実現する新しいアプリケーションです。マウスをたった数回クリックするだけで、以下のタスクを実行できます。
- デモ アプリケーションの起動
- シード プロジェクトの作成
- チュートリアルやユーザー マニュアルの参照
- Arction 社のサポート チームに対する英語での問い合わせ
- アプリケーション情報の自動収集によるテクニカル サポートの支援
- フィードバック提供のためのクイック リンク
- ライセンス状況の確認、ライセンス マネージャーの起動およびライセンスの更新
- Arction Portal を通した新しいライセンスの購入
図: Dev Center アプリケーション。すべての実行可能なタスクがメイン ウィンドウに表示されます。
さらに利便性が向上した新しいライセンス マネージャーが導入されました。ライセンスのインストールが確認されない場合、簡易ウィンドウが表示されます。メイン ウィンドウには、ライセンスのインストールや更新などに関する重要なタスクを実行するためのボタン、既存のライセンスで利用可能な機能、サブスクリプション満了日などに関する情報が含まれます。
以前のライセンス マネージャーで確認されていたいくつかのバグや問題は改善されました。
図: 新しいライセンス マネージャー。ライセンスがインストールされていない場合に表示される簡易ウィンドウ。
図: 新しいライセンス マネージャーのメイン ウィンドウ。
モデルのレンダリング順序の制御により半透明な MeshModel 内の 3D オブジェクトを表示
LightningChart v.8.5 より、
RenderingOrder
プロパティが追加されました。このプロパティにより、半透明な MeshModel を PointLineSeries3D や SurfaceGridSeries3D などの系列よりも先にレンダリングするか (BeforeSeries
)、またはそれらの後にレンダリングするか (AfterSeries
) を指定できます。このようなRenderingOrder
設定を保有する MeshModel は、チャートに追加された順番に応じてレンダリングされます。図: 左の図では半透明な MeshModel の RenderingOrder が BeforeSeires に設定され、右の図では AfterSeries に設定されています。BeforeSeries オプションでは、PointLineSeries3D などの他の系列がモデルの位置と重なる場合、モデルの色が transparent (透明) に設定されている場合でもなお、その他の系列がモデルを通して表示されることはありません。
ハイライト機能を改善
MeshModel のハイライト機能の精度が改善され、
Simple
およびBlink
の両方のスタイルがサポートされました。この機能は、モデルの Fill (塗りつぶし) およびワイヤーフレームに影響します。.obj ファイル内の色情報をサポート
これまで、LightningChart .NET の .obj ファイル読み込み機能ではマテリアルのみがサポートされていましたが、頂点の色は裏側でコードを通して設定する必要がありました。最新バージョンでは、.obj ファイル内で頂点の色が定義されている場合、コードで設定する必要はありません。頂点の配置では、X、Y、Z の後に Red、Green、Blue、および Alpha 値をサポートします (XYZRGBA)。
ワイヤーフレームのアルファを改善
DirectX9 および DirectX11 において、MeshModel のワイヤーフレームの色がカラー パレットの色と一致するよう修正されました。以前は、DirectX11 における MeshModel のワイヤーフレームの色が DirectX9 や凡例のパレットより明るく表示されていました。この修正により、実際のモデルと凡例のパレット間でより簡単に値を比べられるようになりました。
DirectX11 を使用する場合、明度の変更を防ぐため、モデルの最終的な色が変更されます。
データ クリップ機能を改善
LightningChart v.8.5 より、
CenterClipping
プロパティが追加されました。このプロパティにより、例えば振幅軸をマウスでドラッグした時など、ポーラー チャートの中心におけるデータのクリップを制御します。CenterClipping
プロパティには、以下の 3 つのオプションがあります。図: CenterClipping.None。
図: CenterClipping.Center。
図: CenterClipping.InnerCircle。
振幅軸が反転した際の動作を改善
振幅軸が反転した際、いくつかのメソッドの動作にエラーがありました。
GetMinMaxAngleRange
メソッド特定の角度の範囲から、振幅軸の最小値および最大値を計算するメソッドです。
VolumeModel における改善
半透明な VolumeModel 内に PointLineSeries3D、SurfaceGrid、SurfaceMesh、またはもう 1 つの VolumeModel などといった他の系列やオブジェクトを配置できるようになりました。この機能は、
MaximalIntensity RayFunction
オプションとともに動作します。図: 半透明な VolumeModel 内に配置された 2 つの MeshModel と 1 つの SurfaceGrid3D
3D 軸で適切な動作を実現
FreeformPointLineSeries での使用に向けて
SolveYCoordsAtXCoord()
およびSolveYValuesAtXValue()
メソッドを改善以前まで、
SolveYCoordsAtXCoord()
およびSolveYValuesAtXValue()
はデータが昇順の系列 (SampleDataSeries、PointLineSeries、AreaSeries、HighLowSeries) における使用のみを目的としていたため、常に NoPointsFound を返していました。今後、FreeformPointLineSeries でも使用できるようになりました。このメソッドは ViewXY における他の線系列と同じように動作しますが、FreeformPointLineSeries では同じ X 値を保持する複数のデータ ポイントが存在するため、値のリストを返すことはありませんでした。
旧バージョンの新機能は以下のページをご確認ください。