ロード バランスとは、API リクエストのトラフィックを複数のアップストリーム サービスに分散させる手法のことです。ロード バランスは、システム全体の応答性を向上し、個々のリソースの過負荷を防止することで障害を低減します。
以下の例では、2 つの異なるサーバー (アップストリーム ターゲット) にデプロイされたアプリケーションを使用します。Kong Gateway は、両方のサーバーでロード バランスを行う必要があります。これにより、片方のサーバーが使用できない場合、自動的に問題を検出し、すべてのトラフィックを動作中のサーバーにルーティングします。
アップストリームとは、Kong Gateway の背後にあるサービス アプリケーションのことで、クライアントのリクエストはそこに転送されます。Kong Gateway では、アップストリームは仮想ホスト名を表し、複数のターゲット バックエンド サービス上で受信リクエストの状態チェック、サーキット ブレーカー、ロード バランスに使用されます。
このセクションでは、この入門ガイドの先行するチュートリアルで作成したサービス (example_service
) を再設定して、特定のホストではなく、アップストリームをポイントするようにします。この例では、アップストリームは httpbin.org
と mockbin.org
という 2 つの異なるターゲットをポイントします。一般的には、異なるホスト システム上で動作する同じバックエンド サービスのインスタンスがターゲットになります。
以下は、このセットアップを説明する図です。
このセクションでは、example_upstream
という名前のアップストリームを作成し、2 つのターゲットを追加します。
このページは、「Kong 入門」チュートリアルの一部です。チュートリアルは最初から順にお読みになることを推奨します。
ステップ 1 の「Kong を始める」では、ツールに必要なものとローカルの Kong Gateway を実行する手順を説明しています。
ステップ 2 の「サービスとルート」では、チュートリアルで使用するモック サービスをインストールする手順を説明しています。
これらのステップをまだ完了していない場合は、先に完了してください。
アップストリームの作成
Admin API を使用して、example_upstream
という名前のアップストリームを作成します。
curl -X POST http://localhost:8001/upstreams \
--data name=example_upstream
アップストリーム ターゲットの作成
example_upstream
の 2 つのターゲットを作成します。各リクエストは、新しいターゲットを作成し、バックエンド サービスの接続エンドポイントを設定します。
curl -X POST http://localhost:8001/upstreams/example_upstream/targets \
--data target='mockbin.org:80'
curl -X POST http://localhost:8001/upstreams/example_upstream/targets \
--data target='httpbin.org:80'
サービスの更新
この入門ガイドの「サービスとルート」では、example_service
を作成し、明示的なホスト http://mockbin.org
をポイントしました。ここでは、そのサービスを変更して、代わりにアップストリームをポイントするようにします。
curl -X PATCH http://localhost:8001/services/example_service \
--data host='example_upstream'
これで、httpbin.org
と mockbin.org
という 2 つのターゲットを持つアップストリームと、そのアップストリームをポイントするサービスができました。
検証
コマンドラインまたは Web ブラウザーを使用して、ルート http://localhost:8000/mock
にアクセスし、設定したアップストリームが動作していることを確認します。エンドポイントに ping を送信し続けると、サイトが httpbin
から mockbin
に変わるはずです。
これで Kong 入門ガイドは終了ですが、Kong Gateway ではさらに多くのことが可能です。以下は、Kong Gateway の高度な機能に関するガイドです。
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