インテル® マス・カーネル・ライブラリー 11.2 ユーザーズガイド
アプリケーションによっては、インテル® Xeon Phi™ コプロセッサー上でネイティブモードで実行することでパフォーマンスが向上します。このモードでは、アプリケーションは、ホストシステムからオフロードされるのではなく、Linux* オペレーティング・システムを実行するコプロセッサー上で直接実行されます。インテル® MIC アーキテクチャー上でネイティブモードで実行するには、アプリケーションのソースコードを多少変更する必要があります。
ネイティブモードでは、コードはコプロセッサー上でのみ実行されるため、ネイティブ実行用に生成されるバイナリーにはコプロセッサー上で実行するコードのみが含まれます。インテル® コンパイラーは、ネイティブモードで実行するアプリケーションのビルドをサポートする、特別なコンパイラー・オプションを提供します。
インテル® MKL を呼び出すアプリケーションをビルドし、コプロセッサーでネイティブに実行するには、以下の操作を行います。
ホストシステムで、-mmic オプションを使用してアプリケーションをコンパイルしてビルドします。
作成した実行ファイルと実行に必要なすべてのダイナミック・ライブラリーをコプロセッサーに転送します。
セキュアシェル (SSH) または Telnet プロトコルを使用して、ステップ 2 で転送したダイナミック・ライブラリーのパスを追加し、LD_LIBRARY_PATH 環境変数の値を設定します。
OpenMP* スレッド・アフィニティーおよび OMP_NUM_THREADS 環境変数を設定します。
標準の Linux* システムで実行する場合と同様に、アプリケーションを実行します。
詳細は、インテル® ソフトウェア・ドキュメント・ライブラリー (英語) にある『Intel® Compiler User and Reference Guides』を参照してください。
インテル® コンパイラーは、互換マイクロプロセッサー向けには、インテル製マイクロプロセッサー向けと同等レベルの最適化が行われない可能性があります。これには、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 2 (インテル® SSE2)、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 3 (インテル® SSE3)、ストリーミング SIMD 拡張命令 3 補足命令 (SSSE3) 命令セットに関連する最適化およびその他の最適化が含まれます。インテルでは、インテル製ではないマイクロプロセッサーに対して、最適化の提供、機能、効果を保証していません。本製品のマイクロプロセッサー固有の最適化は、インテル製マイクロプロセッサーでの使用を目的としています。インテル® マイクロアーキテクチャーに非固有の特定の最適化は、インテル製マイクロプロセッサー向けに予約されています。この注意事項の適用対象である特定の命令セットの詳細は、該当する製品のユーザー・リファレンス・ガイドを参照してください。 改訂 #20110804 |