インテル® マス・カーネル・ライブラリー 11.2 ユーザーズガイド
インテル® マス・カーネル・ライブラリー (インテル® MKL) ScaLAPACK、クラスター FFT およびクラスター・スパース・ソルバーは、『インテル® MKL リリースノート』に記述されている MPI 実装をサポートしています。
ScaLAPACK、クラスター FFT またはクラスター・スパース・ソルバーを呼び出すプログラムをリンクするには、まずメッセージ・パッシング・インターフェイス (MPI) アプリケーションのリンク方法を知っておく必要があります。
mpi スクリプトを使用します。例えば、mpicc または mpif77 はそれぞれ、正しい MPI ヘッダーを使用する C または FORTRAN 77 スクリプトです。これらのスクリプトと MPI ライブラリーの場所は、利用している MPI 実装に依存します。例えば、MPICH のデフォルト・インストールの場合、/opt/mpich/bin/mpicc および /opt/mpich/bin/mpif77 がコンパイラー・スクリプトで、/opt/mpich/lib/libmpich.a が MPI ライブラリーです。
実装固有のリンクの詳細については、利用している MPI 実装のドキュメントを確認してください。
ScaLAPACK、クラスター FFT およびクラスター・スパース・ソルバーとリンクするには、以下の一般的な形式を使用します。
<MPI リンカースクリプト>
<リンクするファイル> \
-L <MKL パス> [-Wl,--start-group]
[<MKL クラスター・ライブラリー>] \
<BLACS> <MKL コア・ライブラリー> [-Wl,--end-group]
プレースホルダーは、以下の表で説明されているパスとライブラリーを表します。
<MKL クラスター・ライブラリー> |
ScaLAPACK またはクラスター FFT および該当アーキテクチャーとプログラミング・インターフェイス (LP64 または IPL64) 用ライブラリーのいずれか 1 つです。利用可能なライブラリーは、「付録 C: 詳細なディレクトリー構造」にリストされています。 例えば、インテル® 64 アーキテクチャーと LP64 インターフェイスの場合、-lmkl_scalapack_lp64 または -lmkl_cdft_core を利用できます。 クラスター・スパース・ソルバーでは、追加の計算ライブラリーは必要ありません。 |
<BLACS> |
使用するアーキテクチャー、プログラミング・インターフェイス (LP64 または IPL64)、および MPI に対応する BLACS ライブラリーです。利用可能な BLACS ライブラリーは、「付録 C: 詳細なディレクトリー構造」にリストされています。 例えば、インテル® 64 アーキテクチャーの場合、-lmkl_blacs_intelmpi_lp64 または -lmkl_blacs_intelmpi_ilp64 のいずれかを利用できます。 |
<MKL コア・ライブラリー> |
「リンク行のライブラリーのリスト」に記述されているように、スレッド化をサポートするためにリンクされる、プロセッサー最適化カーネル、スレッド化ライブラリー、およびシステム・ライブラリーです。 注クラスター・スパース・ソルバーは、スレッド化されたインテル® MKL とリンクする必要があります。 |
<MPI リンカースクリプト> |
MPI バージョンに対応するリンカースクリプトです。 |
例えば、インテル® MPI で LP64 インターフェイスを使用して ScaLAPACK とスタティックにリンクし、コアあたりの MPI プロセスが 1 つの場合 (つまり、スレッド化を行わない場合)、次のリンカーオプションを指定します。
-L$MKLPATH -I$MKLINCLUDE -Wl,--start-group $MKLPATH/libmkl_scalapack_lp64.a $MKLPATH/libmkl_blacs_intelmpi_lp64.a $MKLPATH/libmkl_intel_lp64.a $MKLPATH/libmkl_sequential.a $MKLPATH/libmkl_core.a -static_mpi -Wl,--end-group -lpthread -lm
スタティック・リンクの場合は、グループ化シンボル -Wl,--start-group および -Wl,--end-group が必要です。
リンクライン・アドバイザーを使用して、<MKL クラスター・ライブラリー>、<BLACS>、および <MKL コア・ライブラリー> の適切なセットを選択します。
インテル® コンパイラーは、互換マイクロプロセッサー向けには、インテル製マイクロプロセッサー向けと同等レベルの最適化が行われない可能性があります。これには、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 2 (インテル® SSE2)、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 3 (インテル® SSE3)、ストリーミング SIMD 拡張命令 3 補足命令 (SSSE3) 命令セットに関連する最適化およびその他の最適化が含まれます。インテルでは、インテル製ではないマイクロプロセッサーに対して、最適化の提供、機能、効果を保証していません。本製品のマイクロプロセッサー固有の最適化は、インテル製マイクロプロセッサーでの使用を目的としています。インテル® マイクロアーキテクチャーに非固有の特定の最適化は、インテル製マイクロプロセッサー向けに予約されています。この注意事項の適用対象である特定の命令セットの詳細は、該当する製品のユーザー・リファレンス・ガイドを参照してください。 改訂 #20110804 |