インテル® マス・カーネル・ライブラリー 11.2 ユーザーズガイド
インテル® マス・カーネル・ライブラリー (インテル® MKL) ILP64 ライブラリーは、64 ビット整数型 (231-1 以上の要素を含む大規模な配列のインデックス処理に必要) を使用します。しかし、LP64 ライブラリーは 32 ビット整数型を使用して配列をインデックス処理します。
LP64 インターフェイスと ILP64 インターフェイスは、インターフェイス・レイヤーに実装されます。LP64 または ILP64 インターフェイスでそれぞれ、以下のインターフェイス・ライブラリーをリンクします。
ILP64 インターフェイスは、以下のために提供されています。
"LP64" はインテル® MKL のバージョン 9.1 以前に提供されていたインターフェイスの新しい名前です。以前のインテル® MKL との互換性を保つ場合は、LP64 インターフェイスを選択してください。アプリケーションやライブラリーで大規模なデータ配列の計算にインテル® MKL を使用する場合は、ILP64 インターフェイスを選択してください。
ILP64 インターフェイスと LP64 インターフェイスでは同じインクルード・ディレクトリーが使用されます。
以下の表は、ILP64 および LP64 インターフェイス用のコンパイル方法を示しています。
Fortran |
|
---|---|
ILP64 用のコンパイル |
ifort -i8 -I<mkl ディレクトリー>/include ... |
LP64 用のコンパイル |
ifort -I<mkl ディレクトリー>/include ... |
C/C++ |
|
ILP64 用のコンパイル |
icc -DMKL_ILP64 -I<mkl ディレクトリー>/include ... |
LP64 用のコンパイル |
icc -I<mkl ディレクトリー>/include ... |
-i8 または -DMKL_ILP64 オプションを使用してコンパイルしたアプリケーションと LP64 ライブラリーをリンクすると、予測できない結果や誤出力が発生する場合があります。
ILP64 インターフェイスを使用していない場合、既存コードを変更する必要はありません。
ILP64 へ変更したり、ILP64 用に新しいコードを記述する場合は、インテル® MKL 関数とサブルーチンのパラメーターに適切な型を使用してください。
整数型 |
Fortran |
C/C++ |
---|---|---|
32 ビット整数 |
INTEGER*4 または
|
int |
ILP64/LP64 のユニバーサル整数
|
INTEGER |
MKL_INT |
ILP64/LP64 のユニバーサル整数
|
INTEGER*8 または
|
MKL_INT64 |
ILP64/LP64 の FFT インターフェイス整数 |
INTEGER |
MKL_LONG |
関数の整数パラメーターの種類を決定するには、適切なインクルード・ファイルを使用します。Fortran インターフェイスのみをサポートする関数には、C/C++ インクルード・ファイル *.h を使用します。
上記の表では、ILP64 で 64 ビットになる整数パラメーターと 32 ビットのままの整数パラメーターを説明しています。この表は、インターフェイスに関係なく整数パラメーターを 64 ビットまたは 32 ビットにする必要がある一部の VML および VSL 関数を除く、ほとんどのインテル® MKL 関数に適用されます。
VML: VML 関数の mode パラメーターは 64 ビットです。
乱数ジェネレーター (RNG):
viRngUniformBits64 を除く離散 RNG はすべて 32 ビットです。
viRngUniformBits64 ジェネレーター関数と vslSkipAheadStream サービス関数は 64 ビットです。
詳細は、『インテル® MKL リファレンス・マニュアル』を参照してください。
ILP64 インターフェイスの詳細を理解するには、例およびテストも参照してください。
すべてのインテル® MKL 関数ドメインは、インテル® MKL 用 FFTW インターフェイスを除いて、ILP64 プログラミングをサポートしています。
FFTW 2.x ラッパーは ILP64 をサポートしていません。
FFTW 3.2 ラッパーは専用の関数セット plan_guru64 によって ILP64 をサポートしています。