インテル® DAAL プログラミング・ガイド

分散処理

このモードは、データセットが計算ノードの nblocks ブロックに分割されていると仮定します。

アルゴリズムのパラメーター

分散処理モードの QR 分解のパラメーターは次のとおりです。

パラメーター

デフォルト値

説明

computeStep

適用不可

アルゴリズムを初期化するために必要なパラメーターです。次のいずれか。

  • step1Local - 第 1 ステップ、ローカルノードで実行
  • step2Master - 第 2 ステップ、マスターノードで実行
  • step3Local - 最終ステップ、ローカルノードで実行

algorithmFPType

double

アルゴリズムが中間計算に使用する浮動小数点の型。float または double を指定できます。

method

defaultDense

パフォーマンス指向の計算メソッド。アルゴリズムでサポートされている唯一のメソッドです。

3 ステップの計算スキーマを使用して QR 分解を計算します。

ステップ 1 - ローカルノード


QR Decomposition Distributed Processing Workflow Step 1

このステップの QR 分解の入力は次のとおりです。入力 ID をパラメーターとして、アルゴリズムの入力を提供するメソッドに渡します。詳細は、「アルゴリズム」を参照してください。

入力 ID

入力

data

ローカルノードの i 番目のデータブロックを表す ni x p 数値テーブルのポインター。各データブロックは十分なサイズ (ni > p) が必要なことに注意してください。入力は、NumericTable の派生クラスのオブジェクトです。

このステップで、QR 分解は次の結果を計算します。結果 ID をパラメーターとして、アルゴリズムの結果にアクセスするメソッドに渡します。詳細は、「アルゴリズム」を参照してください。

結果 ID

結果

outputOfStep1ForStep2

ステップ 2 のマスターノードに転送する部分結果を含む数値テーブルのコレクション。デフォルトでは、これらのテーブルは HomogenNumericTable クラスのオブジェクトですが、(PackedSymmetricMatrix クラス、CSRNumericTable クラス、および lowerPackedTriangularMatrix レイアウトの PackedTriangularMatrix クラスを除く) NumericTable の派生クラスのオブジェクトとして定義できます。

outputOfStep1ForStep3

ステップ 3 のローカルノードで保持する部分結果を含む数値テーブルのコレクション。デフォルトでは、これらのテーブルは HomogenNumericTable クラスのオブジェクトですが、(PackedSymmetricMatrixPackedTriangularMatrix、および CSRNumericTable を除く) NumericTable の派生クラスのオブジェクトとして定義できます。

ステップ 2 - マスターノード


QR Decomposition Distributed Processing Workflow Step 2

このステップの QR 分解の各ローカルノードからの入力は次のとおりです。入力 ID をパラメーターとして、アルゴリズムの入力を提供するメソッドに渡します。詳細は、「アルゴリズム」を参照してください。

入力 ID

入力

inputOfStep2FromStep1

ステップ 1 でローカルノードで計算された結果 (outputOfStep1ForStep2) を含むコレクション。(PackedSymmetricMatrix クラスおよび lowerPackedTriangularMatrix レイアウトの PackedTriangularMatrix クラスを除く) NumericTable の派生クラスのオブジェクトをコレクションに含めることができます。

key

キー、型 int の数。キーを使用すると、ステップ 1 (inputOfStep2FromStep1) の部分結果の順序を追跡できるため、ステップ 2 (outputOfStep2ForStep3) で計算された部分結果を全く同じ順序でローカルノードに戻すことができます。

このステップで、QR 分解は次の結果を計算します。結果 ID をパラメーターとして、アルゴリズムの結果にアクセスするメソッドに渡します。詳細は、「アルゴリズム」を参照してください。

結果 ID

結果

outputOfStep2ForStep3

Q1 を計算するためにローカルロードに分割する数値テーブルを含むコレクション。デフォルトでは、これらのテーブルは HomogenNumericTable クラスのオブジェクトですが、(PackedSymmetricMatrix クラス、CSRNumericTable クラス、および lowerPackedTriangularMatrix レイアウトの PackedTriangularMatrix クラスを除く) NumericTable の派生クラスのオブジェクトとして定義できます。

matrixR

n x p 上三角行列 R1 を含む数値テーブルのポインター。デフォルトでは、この結果は HomogenNumericTable クラスのオブジェクトですが、(PackedSymmetricMatrix クラス、CSRNumericTable クラス、および lowerPackedTriangularMatrix レイアウトの PackedTriangularMatrix クラスを除く) NumericTable の派生クラスのオブジェクトとして定義できます。

ステップ 3 - ローカルノード


QR Decomposition Distributed Processing Workflow Step 3

このステップの QR 分解の入力は次のとおりです。入力 ID をパラメーターとして、アルゴリズムの入力を提供するメソッドに渡します。詳細は、「アルゴリズム」を参照してください。

入力 ID

入力

inputOfStep3FromStep1

ステップ 1 でローカルノードで計算された結果 (outputOfStep1ForStep3) を含むコレクション。(PackedSymmetricMatrix および PackedTriangularMatrix を除く) NumericTable の派生クラスのオブジェクトをコレクションに含めることができます。

inputOfStep3FromStep2

ステップ 2 でマスターノードで計算された結果 (outputOfStep2ForStep3) を含むコレクション。(PackedSymmetricMatrix クラスおよび lowerPackedTriangularMatrix レイアウトの PackedTriangularMatrix クラスを除く) NumericTable の派生クラスのオブジェクトをコレクションに含めることができます。

このステップで、QR 分解は次の結果を計算します。結果 ID をパラメーターとして、アルゴリズムの結果にアクセスするメソッドに渡します。詳細は、「アルゴリズム」を参照してください。

結果 ID

結果

matrixQ

n x p 行列 Q1 を含む数値テーブルのポインター。デフォルトでは、この結果は HomogenNumericTable クラスのオブジェクトですが、(PackedSymmetricMatrixPackedTriangularMatrix、および CSRNumericTable を除く) NumericTable の派生クラスのオブジェクトとして定義できます。

サンプル

インテル® DAAL ディレクトリーの次のサンプルを参照してください。

C++: ./examples/cpp/source/qr/qr_distributed.cpp

Java*: ./examples/java/source/com/intel/daal/examples/qr/QRDistributed.java