インテルの valarray を使用すると、並列処理に大きな配列を宣言することができます。強化された valarray の実装は、インテル® インテグレーテッド・パフォーマンス・プリミティブ (インテル® IPP) の IPP ライブラリーを呼び出します。インテル® IPP は に含まれています。
valarray をソースコードで使用するには、valarray ヘッダーファイル <valarray> をインクルードします。<valarray> ヘッダーファイルは <installdir>/perf_header のパスにあります。
次のコードは、インテルの valarray を使った valarray 加算 (+) の例を示しています。
#include <valarray>
void test( )
{
std::valarray<float> vi(N), va(N);
…
vi = vi + va; //array addition
…
}
すべてのプロセッサー固有のライブラリー・コードを含むスタティック・マージ・ライブラリーを使用するには、インテル® IPP 呼び出しの前に、ippStaticInit 関数を呼び出す必要があります。これにより、ランタイム時に正しいバージョンのライブラリー・コードへ自動的にディスパッチされます。最初に ippStaticInit を呼び出さないと、ライブラリーは標準のライブラリー・コードを使用します。ダイナミック・ライブラリーを使用する場合、ippStaticInit を呼び出す必要はありません。
valarray を含むソースコードをコンパイルする場合、コンパイラー・オプション /Quse-intel-optimized-headers (Windows* OS) または -use-intel-optimized-headers (Linux* OS および MacOS* X) を使用して、必要な valarray ヘッダーファイルと必要なすべて IPP ライブラリー・ファイルをインクルードします。
次の 2 つの例は、インテルの valarray 代替ヘッダーファイルをインクルードし、インテル® IPP とリンクするための、プログラムのコンパイルとリンク方法を示します。詳細は、インテル® IPP のドキュメントを参照してください。
次の例の "マージ" ライブラリーでは、すべてのプロセッサー固有のライブラリー・コードを含むスタティック・ライブラリーを使用しています。
次のコマンドラインは、IA-32 アーキテクチャー・ベースの Windows* システムで、1 回のコンパイルを実行します。
icl /Quse-intel-optimized-headers source.cpp
次のコマンドラインは、IA-32 アーキテクチャー・ベースの Windows* システムで、コンパイルとリンクを別々に実行します。
DLL (ダイナミック):
icl /Quse-intel-optimized-headers /c source.cpp
icl source.obj /Quse-intel-optimized-headers
マージ (スタティック):
icl /Quse-intel-optimized-headers /c source.cpp icl source.obj /Quse-intel-optimized-headers
次のコマンドラインは、インテル® 64 アーキテクチャー・ベースの Linux システムで、1 回のコンパイルを実行します。
icpc -use-intel-optimized-headers source.cpp
次のコマンドラインは、インテル® 64 アーキテクチャー・ベースの Linux システムで、コンパイルとリンクを別々に実行します。
so (ダイナミック):
icpc -use-intel-optimized-headers -c source.cpp
icpc source.o -use-intel-optimized-headers
マージ (スタティック):
icpc -use-intel-optimized-headers -c source.cpp
icpc source.o -use-intel-optimized-headers
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