ツールキットを使用して AR コンテンツを作成する方法に関する包括的なガイド
Kudan AR SDK は、次のようなカスタム操作を利用して、モバイル デバイス上でパフォーマンスを向上します:
.KARMarker
マーカー セット – 複数の画像を 1 つのファイルに格納します。一度にすべてのマーカーをロードしたり、全体のファイル サイズを小さくするのに便利です。.armodel
モデル ファイル – モバイル デバイスで使用するために最適化された軽量で高速なモデル形式です。- ビデオ エンコーディング – モバイル アプリケーションで使用するために、高いビットレートの動画を変換して最適化します。
- アルファ ビデオ – クロマキーを適用した PNG ファイルを選択して、Kudan AR でアルファ チャンネル ビデオを作成できます。
マーカー変換
マーカー変換ツールは、画像ファイルから .KARMarker
ファイルを作成します。作成したファイルは、マーカーのセットとして Kudan AR フレームワークにロードできます。
マーカー変換ツールを使用するには、[Marker Converter (マーカー コンバーター)]
タブを開き、[New (新規)]
ボタンをクリックします。表示されたダイアログで、ファイル名を選択して、[Save (保存)]
をクリックします。新しい AR プロジェクトが作成され、ツールキットで開くことができる .ARProject
ファイルが保存されます。これで作業内容が保存され、後でマーカー セットを編集することができます。
新規マーカー セットの作成
次に、[Add Marker (マーカーの追加)]
をクリックして、このマーカー セットに追加する画像ファイルを選択します。マーカーのサイズを基にノードをスケーリングする予定の場合は、この時点で画像のサイズをメモしておくと良いでしょう。Unity プラグインを使用している場合は、画像の名前/ID を覚えておく必要があります。必要に応じて、この手順を繰り返します。画像を削除する場合は、削除する画像を選択して、ウィンドウの下部にある -
アイコンをクリックします。[Export (エクスポート)]
チェックボックスをオフにして、エクスポート時にこの画像がセットに含まれないようにすることもできます。
画像をセットに追加
すべての画像を追加したら、[Export (エクスポート)]
をクリックして名前を選択してから、[Save (保存)]
をクリックします。指定した名前で .KARMarker
ファイルが作成されます。このファイルは、Kudan AR フレームワークの画像トラッカーにロードできます。ネイティブ SDK で .KARMarker
ファイルをトラッカーに追加する方法は「マーカー」ページを、Unity プラグインで追加する方法は「Unity マーカー」ページをご覧ください。
マーカー セットのエクスポート
3D モデル変換
モデル コンバーター ツールは、.FBX
、.OBJ
、または .DAE
形式の 3D モデルから .armodel
ファイルを作成します。このファイルは、ネイティブ Kudan AR SDK にロードできます。
Unity
Kudan Unity プラグインでモデルを使用するために、モデル コンバーター ツールを使用する必要はありません。Unity がすべてのレンダリングを処理するため、特に何かをする必要はありません。つまり、プラグインは Unity がサポートするすべてのモデル タイプと互換性があり、変換は不要です。通常どおり、Unity のアセットにモデルを直接ドロップします。
既存の 3D モデルを Kudan AR SDK と互換性のあるファイルに変換するには、ツールキットで [3D Model (3D モデル)]
タブを選択します。[Select 3D Model (3D モデルの選択)]
をクリックして、変換するモデルを選択します。
変換するモデルの選択
次に、[Select Save Location (保存場所の選択)]
をクリックして、.armodel
ファイルを保存するディレクトリーを指定します。
保存場所の選択
そして、[Convert (変換)]
をクリックします。.armodel
ファイルが指定した保存場所に作成されます。
モデルの変換
Android
Android では、アプリのビルド時に .armodel
が圧縮されないようにする必要があります。そうしないと、適切にロードできず、クラッシュする可能性があります。そのためには、モデル ファイルの拡張子を .jet
に変更するか、build.gradle
に noCompress
ブロックを追加します。
Windows
Windows ツールキットでは、モデルの変換時に保存ウィンドウで .armodel
または .jet
ファイル形式を選択できます。常に .armodel
を使用してください。Android の圧縮を回避するために .jet
形式を使用する場合は、.armodel
形式で保存してから、拡張子を変更します。.jet
オプションは使用しないでください。現在このオプションは正しく動作しておらず、フレームワークはモデルのインポートに失敗します。
新しいファイルは、オリジナルのファイルと同じ名前になりますが、ファイル拡張子は .armodel
です。
Kudan を使用するモデルと AR アプリケーションにモデルをロードする方法の詳細は、「3D モデル」ページをご覧ください。
ビデオ エンコーディング
ビデオ エンコーダー ツールは、モバイル デバイスで使用するために、高いビットレートの動画を最適化された形式にエンコードして、ファイル サイズを小さくし、パフォーマンスを向上します。
例えば、Kudan AR エンジンは 30fps でレンダリングするため、これよりも高いフレームレートの動画は使用できません。また、高いビットレートの動画には、ほとんどのモバイル デバイスでは表示できないデータがたくさん含まれています。ファイル サイズを大幅に縮小するため、不要なデータや余分なフレームが動画から取り除かれます。
ツールキットで動画をエンコードするには、[Video Encode (ビデオ エンコード)]
タブを選択します。[Select Video (動画の選択)]
をクリックして、処理するファイルを開きます。動画のファイル パスとサイズが表示されます。
サポートするファイル形式
ツールキットの最新バージョンは、.mp4
、.mov
、.avi
および .mkv
ファイルのエンコードをサポートしています。
動画のサイズ
エンコーダーが適切に動作するように、動画の高さと幅がどちらも 2 の倍数であることを確認します。
動画の選択
次に、[Select Output (出力の選択)]
をクリックして、新しい動画の保存場所を選択します。
保存場所の選択
入力ファイルと出力場所を選択したら、動画のフレーム レートも変更できます。次のいずれかのオプションを選択できます:
- Same as source (ソースと同じ)
- 20
- 25
- 30
これらのオプションのいずれかが表示されない場合は、入力ファイルがそのフレームレートよりも低いことを意味します。例えば、24fps の動画の場合は、[Same as source (ソースと同じ)] と [20] のみが表示されます。動画の品質が低下するため、ソースよりも高いフレームレートでファイルをエンコードすることはできません。
選択したオプションで問題がなければ、[Encode (エンコード)]
をクリックします。入力ファイルが処理され、入力ファイルと同じ形式と名前で結果が保存されます。
動画のエンコード
アルファ ビデオの作成
アルファ ビデオ ツールを使用すると、クロマキーを適用した PNG ファイルを選択して、Kudan AR 内のアルファ チャンネルでレンダリングする動画を作成できます。
アルファ ビデオを作成するには、[Alpha Video (アルファ ビデオ)]
タブを選択します。[Input (入力)]
の下にある [Select Images (画像の選択)]
をクリックして、.png
ファイルをロードします。メイン ウィンドウにファイルのパスが表示されます。
画像フレームのロード
次に、動画のソース FPS とターゲット FPS を選択します。これらの値は、動画全体の「速度」を決定します。コンテンツを最適に視聴できるようにこれらの値は変更できます。画像を特定のフレームレートで再生するように設定している場合は、これらの値を同じにすることが理想的です。
ソース FPS とターゲット FPS の選択
適切な設定と画像を選択したら、[Select Output (選択の出力)]
をクリックして出力の保存場所を選択してから、[Process (処理)]
をクリックしてアルファ ビデオを作成します。
出力の保存場所の選択
アルファ ビデオの処理
空のファイル
作成されたファイルのサイズが 0 バイトの場合は、エンコーダーは新しいファイルを作成しましたが、フレームの処理中にエラーが発生したことを示します。
選択した各画像の高さと幅がどちらも 2 の倍数であることを確認してください。